
新NISAを始めたいけど、よくわからないから誰かに聞きたい



近所の銀行でNISAの広告を見るけど、実際どうなの?



NISAはネット証券がいいの?地方銀行じゃダメなの?
このような悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
実際、インターネットで「新NISA 始め方」と検索すると、多くの記事はネット証券をおすすめしています。
しかし、地方銀行は、地域に根差した営業が得意な銀行です。その強みを活かしたメリットは多くあります。
その一方、証券会社と比較し、デメリットがあるのも事実です。
この記事では、地方銀行のメリット・デメリットと、新NISAを始めるのに地方銀行が向いている人を解説します。
地方銀行のメリットデメリットを理解し、地方銀行に向いている人は一度無料相談に行ってみましょう。
新NISAとは


新NISAは2024年1月からはじまった制度で、旧NISAをより使いやすく制度改正したものです。
旧NISAからの改正ポイントは以下のとおりです。
- 非課税保有期間の無期限化
- 口座会開設期間の恒久化
- つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能
- 年間投資枠の拡大(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)
- 非課税保有限度額の拡大(全体で1800万円、成長投資枠は1200万円まで、また、投資枠の再利用が可能)
使いやすく制度改正されたことにより、資産運用を気軽に始めやすくなりました。
新NISA制度と旧NISA制度の比較
新NISA制度と旧NISA制度の比較を表にすると、以下のとおりです。
新NISA制度 | 旧NISA制度 | |||
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | つみたてNISA | 一般NISA | |
併用できるか | 可 | 不可 | ||
年間投資上限額 | 120万円 | 240万円 | 40万円 | 120万円 |
生涯非課税限度額 | 合計1800万円(成長投資枠は1200万円まで) | 800万円 | 600万円 | |
売却後非課税限度額 | 買付額分の再利用可能 | 再利用不可 | ||
非課税保有期間 | 無制限 | 20年間 | 5年間 | |
制度実施期間 | 2024年~(恒久化) | 新規買付は2023年末まで 運用中の口座は2042年末まで | 2023年末まで | |
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 | ||
買付方法 | 積立 | スポット・積立 | 積立 | スポット・積立 |
対象商品 | 金融庁が認めた投資信託 | 金融庁が認めた株式・投資信託・ETF | 金融庁が認めた投資信託 | 金融庁が認めた株式・投資信託・ETF |
資産運用の自由度が広がり、投資初心者でも「気軽に」「お得に」投資を始められるようになりました。
ぜひこの機会に新NISAを地方銀行で始めるメリット・デメリットを理解しましょう。
地方銀行で新NISAを始めるメリット


地方銀行は地域に根差した営業をしているため、アクセスしやすい場所にあり、献身的な対応が期待できるでしょう。
地方銀行ならではのメリットは下記のとおりです。
- 手軽に新NISAを始められる
- ネットが苦手でも相談できる
- 口座で管理が楽
- ローンの優遇金利が受けられる可能性がある
順番に詳しく解説します。
1.手軽に新NISAを始められる
地方銀行はアクセスしやすい場所にあるため、気軽に支店へ足を運べます。
また、地方銀行の口座を開設済みであれば、新NISA用の口座を作る必要はありません。
「口座開設」の面倒な手続きを省略できるため、手軽に新NISAを始められるのは地方銀行のメリットです。


ほとんどの人は銀行口座を持っていると思います。
・両親が将来のためと貯蓄した自分名義の口座
・働き始めたときに開設した給与受取口座
など、人生の中で口座を作るタイミングが多くあります。
一度、地方銀行の通帳がないか整理してみましょう!
2.ネットが苦手でも相談できる


地方銀行の多くは「地域社会の発展に尽くす」などの経営理念をかかげているため、親身になって相談に乗ってくれる可能性が高いです。
新NISAの開設方法や、売買手続き方法など、インターネットが苦手な人がつまづきがちな部分をスタッフに会って直接相談できます。
疑問や不安を相談できるのは地方銀行の強みです。
3.口座の管理が楽
証券会社で新NISAを始める場合、「証券会社の銀行口座」と「証券口座」を開設する手続きの必要があります。
しかし、地方銀行で新NISAを始める場合、口座を新しく開設する必要がありません。
また、証券会社の場合は、新NISAの銘柄を購入する前に、入金する必要があります。
しかし、地方銀行を給与受取口座にしている人は、新NISAの銘柄購入のために資金移動することなく、取引が可能です。
このように、地方銀行で給与受取している人は、新NISAのために口座が増えないため、口座の管理が楽です。
4.ローンの優遇金利が受けられる可能性がある
地方銀行がお金を貸す際に「返済能力がある」と信頼できる場合、ローンの金利を下げることがあります。
そのため、給与受取口座が当該銀行であったり、新NISAを当該銀行で開設していたりすると、返済能力を認められてローンの優遇金利を受けられるかもしれません。
将来、住宅ローンやマイカーローンの借入予定がある人は、地方銀行を検討してみるとよいでしょう。
ただし、「どれだけ金利が下がるのか」「優遇金利があるか」は各銀行のサービスによって違うので、問い合わせが必要です。
地方銀行で新NISAを始めるデメリット


地方銀行は、「相談しやすさ」や「管理が楽であること」が大きなメリットでした。
しかしながら、地方銀行で新NISAを始めるデメリットはないのか不安になるかたもいることでしょう。
地方銀行は証券会社と比較されることが多くあります。
その理由は、生活エリア内にある「地方銀行」と都心にある「証券会社」とで相対的に比較できるためです。
地方銀行と証券会社(ネット証券含む)を比較すると、下記のようなデメリットがあります。
- 取扱銘柄が証券会社と比べて少ない
- 手数料が高くなる可能性がある
- 最低積立金額が証券会社と比べて高い
- ポイント還元がないことが多い
- 上場株式の取引不可
- 銀行から営業される可能性がある
順番に解説します。
1.取扱銘柄が証券会社と比べて少ない
「地方銀行(預金残高上位)5行」「大手証券会社3社」「人気のネット証券3社」各社つみたて投資枠の銘柄数は、以下のとおりです。
地方銀行預金残高ランキング上位5位 | |
銀行名 | つみたて投資枠銘柄数 |
横浜銀行 | 16銘柄 |
埼玉りそな銀行 | 13銘柄 |
千葉銀行 | 9銘柄 |
福岡銀行 | 26銘柄 |
静岡銀行 | 37銘柄 |
大手証券会社3社 | |
証券会社名 | つみたて投資枠 | 取扱銘柄数
野村證券 | 19銘柄 |
大和証券 | 36銘柄 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 28銘柄 |
人気度の高いネット証券3社 | |
証券会社名 | つみたて投資枠 | 取扱銘柄数
楽天証券 | 222銘柄 |
SBI証券 | 219銘柄 |
マネックス証券 | 211銘柄 |
証券会社の取扱銘柄が多い事が分かると思います。地方銀行で新NISAを始めると銘柄の選択肢が少なくなるのは、デメリットと言えるでしょう。
しかし、つみたて投資枠で選べる銘柄は、金融庁が定めた一定の基準を満たすものとされています。
一定の基準は以下のとおりです。
- 信託契約期間が無期限又は20年以上であること(長期運用可能)
- 分配頻度が毎月でないこと(高い運用効率)
- ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと(仕組みが複雑でない)
- 販売手数料無料、解約手数料無料、信託報酬1.5%以下
金融庁は上記基準により、長期の積立・分散投資に適した銘柄を判断しています。
そのため、銘柄が少ないからといって極端に損する可能性は低いでしょう。
2.手数料が高くなる可能性がある
地方銀行は証券会社と比べて取扱銘柄が少なく、選んだ銘柄によっては手数料が割高となるかもしれません。
しかしながら、つみたて投資枠で選べる銘柄は、金融庁が定めた一定の基準を満たすものとされ、手数料についての基準は下記のとおりです。
- 販売手数料0円
- 解約手数料0円
- 信託報酬1.5%以下
上記に満たない銘柄は、新NISAのつみたて投資枠で購入できないため、手数料が極端に高くなることはないでしょう。
3.最低積立金額が証券会社と比べて高い
「新NISAをまずは少額から試してみたい」と考えたとき、最低積立金額が重要となります。
人気度の高い証券会社と地方銀行(一部)の最低積立金額の比較は以下のとおりです。
地方銀行預金残高ランキング上位5位 | |
銀行名 | 最低積立金額 |
横浜銀行 | 1,000円 |
埼玉りそな銀行 | 1,000円 |
千葉銀行 | 1,000円 |
福岡銀行 | 1,000円 |
静岡銀行 | 1,000円 |
大手証券会社3社 | |
証券会社名 | 最低積立金額 |
野村證券 | 1,000円 |
大和証券 | 100円 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 1万円 |
人気度の高いネット証券3社 | |
証券会社名 | 最低積立金額 |
楽天証券 | 100円 |
SBI証券 | 100円 |
マネックス証券 | 100円 |
最低積立金額が高いと家計への負担も大きくなり、生活が苦しくなる時があるかもしれません。
しかし、毎月の積立金額が1,000円であれば、長期的に考えても苦しくなる人は多くはないでしょう。
また、毎月1,000円でも長期的に積み立てていけば、利益は生まれます。
下記条件を元にシミュレーションをしてみましょう。
・積立金額:1,000円(毎月)
・運用期間:30年間
・想定利回り(年率):4%


上記のシミュレーション結果をみると、毎月1,000円を30年間続けると「36万円」を支払い、積み立てたことになりますが、最終資産額は「69.4万円」とほぼ2倍となっていることが分かります。
地方銀行によっても、最低積立金額は変わってくるため、検討中の地方銀行の最低積立金額がいくらか確認してみるといいでしょう。
4.ポイント還元が充実していない
証券会社の多くは、クレジットカードで新NISAの銘柄を購入できます。
その際、購入金額の0.5%~1%程度、クレジットカードのポイントがもらえます。
一方、地方銀行は銘柄の購入金額分が口座から引き落としされるため、ポイントがつかず、デメリットとなります。
下記に「楽天証券」と「口座引き落としの銀行」をポイントについての比較を記述します。
例)毎月1,000円、積み立てた場合
楽天証券:銘柄購入代金、1,000円を楽天カード決済(ポイント還元率1%)だと、ポイントは毎月10円
地方銀行:銘柄購入代金、1,000円が口座引き落としされる、ポイントは0円
このように、地方銀行と楽天証券と比べると、毎月10ポイント損をするということになります。
しかし、地方銀行のメリットは「手軽さ」です。
「クレジットカードを契約」や「証券口座開設」、「ポイント還元率、使い道」など、細かいことを考えることなく新NISAをスタートできます。
5.上場株式の取引ができない
新NISAで資産形成をしてみると、他の投資商品にも興味がわいてくるかもしれません。
例えば、カタログギフトがもらえる「株主優待付きの株式」や、定期的に配当金がもらえる「高配当株」などは、投資するうえで魅力的な投資商品といえるでしょう。


しかし、これらの投資商品は「上場株式」といわれ、地方銀行では取引できません。
上場株式の取引ができないことは、地方銀行の大きなデメリットと言えるでしょう。
ただし、将来的に新NISAのつみたて投資枠以外に投資するつもりがない人は、地方銀行で新NISAを始めてもいいでしょう。
6.銀行から営業される可能性もある
先述したとおり、地方銀行のメリットは、気軽にスタッフに相談できることでした。
しかし、それがデメリットになる場合があります。
デメリットとして考えられることは以下のとおりです。
- A銘柄のことを知りたいが、B銘柄を勧められる
- 新NISAの銘柄ではない投資商品を勧められる(手数料が高い)
- 定期預金やその他サービスを勧められる
- 営業の電話がかかってくる
以上のように、地方銀行では、気軽にスタッフに面談できるからこそ、自身の意向に沿わない提案をされる可能性があります。
しかし、地方銀行の経営理念は多くの場合「地域社会の発展」であるため、自身の人生設計や価値観を話し合うことで、スタッフもあなた自身のことを理解し、意向に合わない提案が少なくなるでしょう。
また、窓口に行って相談するだけなら無料であるため、まずは相談してみると良いでしょう。
新NISAを始めるのに地方銀行が向いている人


地方銀行は、地域に根差した営業が得意です。
新NISAを始めるのに地方銀行が向いている人は下記のような人です。
- 人と相談しながら決めたい人
- 生活エリア内に地方銀行がある人
- 新NISA以外の投資に興味がない人
- 管理する口座を増やしたくない人
- 住宅ローンなどの借入予定がある人
条件が合えば、手軽に新NISAを始められるため、ぜひ確認してみてください。
1.人と相談しながら決めたい人
地方銀行にはスタッフがいるため、相談ができます。
話しながら新NISAの手続きが行えるため、インターネットが苦手な人や、確認しながら慎重に手続きしたい人はおすすめです。
また、自身のライフプランや価値観をスタッフと共有することで、満足度の高い資産形成ができるでしょう。


2.生活エリア内に地方銀行がある人
職場や自宅の近くに地方銀行がある人は、足を運びやすいため、新NISAを始めるのに地方銀行が向いています。
仕事帰りや、買い物ついでなど、いろいろなシーンで地方銀行へ行って、気軽に相談できるでしょう。
その結果、余計な移動時間を使わないため、便利でしょう。
3.新NISA以外の投資に興味がない人
地方銀行で取り扱っている銘柄は、証券会社と比べて少ない傾向にあります。
また、地方銀行の口座では、上場株式やETFなどの投資はできません。
しかし、新NISAの非課税投資枠以外を使うつもりがない人は、地方銀行で新NISAを始めるのに向いているでしょう。
4.管理する口座を増やしたくない人



口座が増えると管理が面倒



新NISAのためにお金の移動は面倒



ネットバンクは怖くて管理できない
このように考える人は多いのではないでしょうか。
上記のような人は地方銀行で新NISAを始めるのに向いています。
その理由は、すでに地方銀行の口座を持っている人は、新しく口座開設する必要がありません。
また、新NISAで銘柄購入代金は、口座引き落としされるため、面倒なお金の移動は必要ありません。
口座の管理やお金の移動が面倒な人は、地方銀行で新NISAを始めるのに向いています。
5.住宅ローンなどの借入予定がある人
地方銀行で新NISAを始めると、住宅ローンやマイカーローンなどの借入の際に、優遇金利が受けられる可能性があります。
住宅ローンやマイカーローンは、借入金額が大きいため、金利0.1%の差でも、合計返済額が大きく異なります。
下記の条件を例にシミュレーションの比較を見てみましょう。
借入金額:5,000万円
借入期間:35年
返済方法:元利均等返済
ボーナス返済:なし
頭金:なし
金利:1.5% or 1.4%
引用:金融庁「借金シミュレーター」https://www.fsa.go.jp/teach/simulation/dept.html
上記を例にすると、金利が0.1%下がるだけでも、合計返済金額が約100万下がります。
そのため、多額のローンを組む際は少しでも金利は低い方がいいでしょう。
将来、「マイホームを建てたい人」や「憧れの乗りたい車がある人」は地方銀行で新NISAで資産形成し、ローンを組むプランもいいかもしれません。
ただし、「どれだけ金利が下がるのか」「優遇金利があるか」は各銀行のサービスによって違うので、問い合わせが必要です。
地方銀行で新NISAを始める注意点


新NISAを地方銀行で始める注意点は以下のとおりです。
- 地方銀行の投資信託の手数料は高い
- 自身の価値観やライフプランを明確にする
- 営業日や営業時間を確認する
- 新NISAは1人1口座
地方銀行に相談に行く前に、注意点を理解し、時間を無駄にしないようにしましょう。
1.地方銀行の投資信託の手数料は高い
新NISAの銘柄は、金融庁が手数料の低い銘柄を厳選しており、安心して選べます。
しかし、地方銀行の新NISA以外の投資信託の銘柄は手数料が高い場合が多いです。
地方銀行で投資信託を営業された場合は、手数料を確認しましょう。
2.自身の価値観やライフプランを明確にする
地方銀行は、アクセスに便利であるため、気軽に相談へ行けることがメリットのひとつでした。
しかし、自身の価値観やライフプランがわからないまま相談に行くと、窓口スタッフも最適な提案ができず、お互い時間を無駄にしてしまう可能性があります。
少なくとも「老後に備えてコツコツ貯めたい」や「こどもの大学の入学金のため」や「無理せず少額から始めたい」など、ある程度の方針を決めておきましょう。
3.営業日や営業時間を確認する
地方銀行の営業日や営業時間を確認しましょう。
多くの場合、窓口は平日15時までとなっています。
確認せずに足を運び、受付が閉まっていると時間を無駄にしてしまいます。
初めての相談は「電話で確認する」ことをおすすめします。
4.新NISAは1人1口座
新NISAは1人1口座しか持てません。
すでに新NISA口座を持っていて、他の金融機関に移動したい場合、以下のルールがあるので注意しましょう。
- 金融機関変更は9月までに申請が必要
- 変更したい年は投資不可
- 投資商品の移動は不可(旧口座に保有継続)
上記のように、新NISA口座の金融機関変更手続きは大変です。
新NISA口座は長期的に運用するものなので「将来、この銀行はあるだろうか?」と想像してみることも大事になるでしょう。
まとめ


地方銀行で新NISAを始めるメリット
地方銀行で新NISAを始めるデメリット
上記のメリット・デメリットを理解した上で、地方銀行で新NISAを始めるのに向いている人は、一度近くの支店で相談することをおすすめします。
電話などで簡単に来店予約ができるため、ネット証券と比べて「気軽に」行動ができるため、新NISAのことを知るための第一歩として、地方銀行の窓口に電話をかけてみましょう。
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